写真を通じての証言活動 世界の医療団&マグナム・フォト
エレン ジョンソン サーリーフ大統領就任から1年が経過し、各国政府、国際機関、NGOが役割を終了してこの国を離れて行く中、世界の医療団と写真通信社マグナム・フォトの両組織は、この国を襲った危機の本質についてあらためて人々の理解を深め、14年間の紛争から立ち直ろうとする努力を支援するために協力し合うことを確認しました。
もっと広い意味での活動は、「平和まであと一歩」というこの段階において、カメラのレンズに収まらない部分、言い換えれば復興のひ弱で危うい側面を写真というメディアを通して明るみに出すことです。
2003年、戦後のリベリアは荒廃しきっていました。10万人以上の少年兵を社会復帰させねばならず、日常生活に必要な水や電気も無く、医者の数は人口300万人に対して100人足らずでした。世界の医療団は北部のボング郡に拠点を置き、地域住民の基礎医療サービスへのアクセスを回復するためにヘルスケア センター復旧への支援を開始しました。
ジョンソン大統領就任の結果生まれた和解への希望とは裏腹に、世界で最も貧しい国のひとつに数えられるこの国の再建への道筋にはいまだに多くの不安定要素が残されています。
戦争終結から真の平和に至るまでのこの「グレイ ゾーン」の存在を人々に理解してもらう為、世界の医療団とマグナム・フォトは写真家パオロ ペルグランをリベリアに送り、彼のカメラのレンズを通してこの危うく不安定なリベリアの状況を浮き彫りにし、その現実を証言しようと考えました。
2007年1月16日以降、80枚の速報写真を世界の医療団(
www.medecinsdumonde.org)とマグナム・フォト (
www.magnumphotos.com)のインターネット ホームページで閲覧することが出来ます。これ等の写真は、全ての国が持つ当然の権利:健康、生活基盤の回復、経済の安定に焦点を当てて撮影されました。
世界の医療団とマグナムは、写真という証言手段を通じてインターネット利用者に語りかけ、「忘れ去られる」国々への記憶を甦らせ、彼らが国際社会の援助をいかに必要としているかを理解する手掛かりになればと願っています。
マグナムとのパートナーシップは、世界の医療団フランス支部が1年前に企画したもので、人道援助を最大限必要としているにもかかわらず、メディアや国際支援組織から忘れ見放されていく人々や国々への関心を再び呼び起こすためのキャンペーンとして始められました。
http://www.mdm.or.jp/news/news_20070220.php