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A.T.アリヤラトネ博士 来日企画 欲望に基づかない本当の豊かさとは? 平和・環境・参加・自治?スリランカ・サルボダヤ運動の実践から学ぶ 鼎 談 サルボダヤ運動創始者/A.T.アリヤラトネ博士 外務副大臣・参議院議員/福山哲郎 龍谷大学研究フェロー/中村尚司
アメリカの金融危機を引き金に広がった世界同時不況。先進国、発展途上国を問わず貧富の差が拡大し、倒産や失業など社会不安が広がっています。その原因の一つは、お金を商品にしてひたすら利益を追求した私達の貪欲さにあったと言われ、その事に対する反省の声が世界中で上がっています。また、人間の欲望を満たすために自然は収奪され、環境破壊によって私たちの生活や生命、地球という星の生存が脅かされています。 1958年、経済発展こそが豊かさの物差しであった時代に「サルボダヤ・シュラマダーナ運動」は心の豊かさの重要性を唱え、スリランカの伝統文化や価値観に基づいたオルタナティブな開発を目指して始まりました。「サルボダヤ」とは「万人の目覚め」、「シュラマダーナ」とは「ともに働き分かち合う」ことを意味します。マハトマ・ガンジーの平和思想や仏教の教えに学び、人々自らが問題解決の主役として資源や労働を分かち合い、物質的貪欲さにではなく、平和で安全に生きるための必要に基づいた開発。サルボダヤの半世紀にわたる実践は、住民参加型開発、持続可能な開発と呼ばれる、極めて今日的なアプローチであり、今こそ、私たちはその経験から多くのことを学ぶことができると考えます。 折しも今年、政権交代が実現した日本。政治経済のしくみがチェンジすることが期待される今、欲望に基づかない豊かさを追求したアリヤラトネ博士50年の経験を分かち合い、これからの社会の在り方について話し合う機会を設けました。対話の相手は1991年にサルボダヤ運動を実体験した経験を持つ参議院議員の福山哲郎・外務副大臣と、南アジアをフィールドにした地域経済学、民際学者として有名な中村尚司・元龍谷大学教授です。この3人を中心に、平和、環境、住民参加、自立と自治といった世界共通の課題を、サルボダヤ運動の哲学と実践をベースに語り合いたいと思います。
※臨時国会開催中のため、福山副大臣が参加できない場合がありますので、予めご了承ください。
●日時::2009年11月24日(火)18:00?20:30 ●場所 :広尾「JICA地球ひろば」3階 講堂 (渋谷区広尾4-2-24 地下鉄日比谷線広尾駅3番出口徒歩1分) ●主催:サルボダヤJAPAN設立準備会・ワンワールド・ワンピープル協会 ●参加費:1,000円 ●後援:(社)協力隊を育てる会●協賛:JICA地球ひろば ●問い合わせ:サルボダヤJAPAN設立準備会 世話人/中本 TEL:080-3095-1958 ●申し込み方法:氏名・所属・連絡先Emailアドレスを明記し、sarvodayajapan@yahoo.co.jp にメールするか、次の番号(03-3437-3588)にfaxしてください。
A.T.アリヤラトネ博士 ◆1931年スリランカ生まれ。1958年、コロンボの仏教系名門ナーランダ高校の理科教師時代に始めた生徒たちのワークキャンプから農村開発運動(サルボダヤ運動)を開始。スリランカ15,000ヶ村で活動を展開中。子どもや母親への支援、村民の保健衛生、医療に関する活動、マイクロクレジットや収入向上活動、有機農業を軸にした持続可能な第一次産業の活性化など民衆の自立を目指して活発な活動を行っている。環境・平和・自立・教育などの人類的課題に対して、果敢に挑み続けるそのパワフルな開発運動は、博士の卓抜したリーダーシップと共に、参加型開発のモデルとして世界から高く評価される。博士は国連機関の各種委員を歴任するほか、アジアのノーベル平和賞といわれるマグサイサイ賞、ベルギーボードウイン国王賞、庭野平和賞、各国の大学よりの賞、スリランカ大統領より国家への功績に対する賞等、多数の賞を授けられている。
福山哲郎 ◆1962年東京に生まれる。同志社大学法学部法律学科卒業、京都大学大学院法学研究科修士課程修了。1990年、大和証券株式会社を辞めて松下政経塾に入塾。1991年スリランカに滞在しサルボダヤ運動に参加、アリヤラトネ博士と出会う。 京都、東京の地域政経塾塾頭を経て1998年の参議院議員選挙に京都選挙区より民主党から立候補しトップ当選。民主党「地球温暖化対策本部」 事務総長として「地球温暖化対策基本法案」を国会に提出するなど、環境政策通として知られる。今年9月、外務副大臣に就任。京都造形芸術大学客員教授(政治学)
中村尚司 ◆1938年京都に生まれる。京都大学文学部卒業後、アジア経済研究所勤務を経て龍谷大学経済学部教授、京都大学東南アジア研究センター客員教授などを歴任。現在、龍谷大学研究フェロー。南アジア、特にスリランカをフィールドに地域経済論を研究。また、民族、開発、環境、地域、ジェンダー問題やNGOなど現代社会の諸問題を、国家の枠組みを越えた関係現象として体系的に研究する「民際学」を故・鶴見良行氏と共に提唱、実践。生命系の経済学、内発的発展論、地域主義の視点から、近代化社会において当然と考えられている生き方を再考し、「本当の豊かさ」を実現するための学問を追求してきた。内外のNGOとの関わりも深い。主な著書に「豊かなアジア、貧しい日本―過剰開発から生命系の経済へ」学陽書房1989年、「地域自立の経済学」日本評論社1993年、「人々のアジア―民際学の視座から」岩波新書1994年など。
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